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地方だからこそ。“食”で広がる新たなつながり

地元野菜と普段着のフレンチ「merle (メルル)」
山中学さん・亜美さん

東京→山梨→千葉と、働く場所を移しながら飲食業を続けてこられた山中さんご夫婦。経営するフレンチレストラン「merle(メルル)」の移転と同時に、こども3人と家族で横芝光町への移住を決意。“食”の観点から、田舎暮らしの魅力まで語っていただきました。

災難から一転。理想だった、
「森の中の一軒家レストラン」との出会い

店名の「merle(メルル)」は、亜美(つぐみ)さんの名前をフランス語にしたそう

亜美さん
移転・移住のきっかけですが、実は災難があって…。前の店舗ビルが火事にあってしまったんです。2019年5月のことです。いくつか企業さんから店舗のお話もあったんですけど、設備的な問題であったりなかなかスムーズに話がまとまらない中で、お客さまからここの店舗でレストランを経営する方を探していると言う情報を知りました。来てみると、びっくり!「森の中の一軒家」っていうレストランが理想としてあったので、99.9%ぴったり。即決でしたね(笑)。

店内は大きな窓から緑の景色が広がり、自然の中で過ごすような雰囲気

学さん
元々、私の地元が千葉(茂原市)で、この町のことも知ってはいたんです。田舎だなというイメージでしたけど、ストロベリー農家、エディブルフラワー(食用花)を育てている方などなど、私たちが好きな生産者さんがなぜかこの地域に多かったんですよ。その方達と近くなって「こんなのあるけどいる?」「いいよ、じゃあこれもらってよ」みたいな気軽なやりとりで少量でも物々交換ができるようになったのは嬉しいですね。

亜美さん
都会ではないですけど、必要なものは全部ありますよ。「何もない=不便」じゃなくて、不必要なものを買わなくてすむし、ラク。暮らしがシンプルになったんだと思います。

本当の財産は
「人のつながり」ってことに気づいた

学さんの実家は精肉店を経営。新鮮な採れたて地元野菜だけでなく、旨味が凝縮した熟成肉も取り扱う

亜美さん
この町の魅力はやっぱり「人」だと思います。火事でお店が全焼して、それでいろんな人から応援いただいたり、助けていただいたんです。その経験から、本当の財産って「人のつながり」なんだなと思いました。ここはそれに気づける場所だなって。

先ほどの生産者さんたちもそうですし、コテージ&ペンション「NANJA MONJA」などを経営されている、ここのオーナー:秋葉さんファミリーはいつも相談にのってくれますし、ゆりこママ(秋葉さんご家族の祖母)はウチのこども達にまで保育園で必要なモノの縫い仕事までしてくれたり。とにかくみんな働き者でエネルギーがすごい。会長(秋葉さんご家族の祖父)もそう。自らペンションのベッドメイクもされてますし、純粋に一生懸命なんです。みんなチャレンジングで、そこに失敗っていう文字はないんですよ。
「成功したから楽しいんじゃないのょ。楽しいから成功するの」と創業者のお二人からお言葉をいただいたのは、心にドンっと響きました。

学さん
秋葉さんのこどもたちも親の仕事を見て育っているからか、優しくて、自立していて、しっかりしてる印象なんですよ。親の仕事で、だれかが喜んでくれるということを理解しているというか。ほらこれ、秋葉さんの長男が私たちに作文を書いてくれたんです。突然持って来てくれて、嬉しくて思わずウルっときちゃいましたよね。営業中だから仕事にならなくて逆に困りました(笑)。

「お題:新しいレストラン」。きっと、小学5年生のこどもも店ができて嬉しかったのだろう

ヨリドコロの移住コーディネーター:井上さんからのご紹介もあって、運良く空き家も店から遠くないところで見つかりました。大家さんもこども達と気さくに話してくれていい人です。

私たちが、これから
また新しいハブになりたい

お2人のお話からは、心踊る今と未来しか感じられなかった

学さん
都会には、うーん…戻れないというか、戻りたくないというか。なんと言っても朝が気持ちいいんですよ。言葉で表現しにくいですが、毎朝リゾート気分なんですよね。
例えば東京で朝活したり、スムージーを飲む、みたいな健康法があるじゃないですか。ここでは旬のお野菜だったり、調味料は手作りのお味噌だったり、お米はここの田んぼでとれたものを精米して食べたり、鮮度がいいものを毎日、口にしてる。自然に心と体、両方喜んでるという感じです。だからストレスは本当に減ったと感じますね。

左/名物メンチカツ、中央/生姜のブランマンジュ パッションフルーツのクーリーとココナッツ(デザート)、右/東の匠豚のロースト マンゴーのソースと地元野菜(メイン)

亜美さん
ゆくゆくは私たちも法人化して、食を中心にいろんなことを生み出したいんです。例えばホップを畑で育てて、ブリュワリーで醸造して、クラフトビールをつくる。それを名産のモツをアテに飲む。で、ペンションに泊まるという流れをつくるとか。大学生は休み期間中にアルバイトをしてもらって、サーフィンをやりたい放題やるとか。

学さん
かっこ良く言いたいわけじゃなんですが、ビジネスモデル的に地方で僕たちがやることで雇用や町の魅力、生活そのものが生まれたりして欲しい。この場所全体が良くなって、町が良くなって、誰かが移住するきっかけになればいいし、こども達が都会に出ても、帰ってきたい場所、自慢できる場所になればいいなって思いますね。

「merle(メルル)」の外観。自然に包まれながら、軽やかに上質フレンチ、ワインを楽しめる

merle(メルル)ホームページはこちら

▼その他、住民のインタビュー記事はこちら

自分が動けば、面白いことは自然とやってくる

プライベートでも親交が深いという、秋葉さんと實川さん。おふたりとも、結婚を機に横芝光町に移住してきたといいます。今回は、實川さんの夫の会社が経営するコミュニティカフェ「FARM TO…」で、地元の幸をいただきながらお話を伺いました。

クリエイティブに活きる、人や自然との豊かな関わり

ガラス工芸を通じて出会ったという、信吾さん・裕美さん夫妻。現在は九十九里浜のほど近くに工房を構え、美しさと個性を両立させたガラス作品をつくり続けています。ご夫婦に、移住のきっかけや町の好きなところを伺いました。

波は人生と似てる。一瞬ごとに表情を変える自然を楽しもう

生まれも育ちも横芝光町という水野さん。現在はサーフィンスクール「TREASURE SURF」の代表兼インストラクターとして、年間約4,000人の指導にあたっています。ずっとこの地を見続けてきた水野さんに、町の魅力を語っていただきました。

都会と田舎の「いいとこどり」の生活を

55歳まで大手証券会社に勤めた後、全国でも類を見ない「移動型鍼灸院」を開業。ユニークな経歴をもつ今西倫子さんに、横芝光町に移住したきっかけと町の魅力を伺いました。